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2007年02月10日

わたしの意見:「ふるさと歴史館だより」13号をめぐる住民監査請求

■ 勇気を出して監査請求を出しましょうと呼びかけた、区民 AAAA さんの意見陳述です、長いけど読んでください。


先ず初めに、本日のこの機会に 新たな証拠 として、昨年09月27日に開催された総務区民委員会会議録から 「ふるさと歴史館だより」 に関係する部分の抜粋と、シビックセンター建設に関して文京区長や教育長が文化庁長官ならびに東京都教育長に宛てた 「詫び状」 等の文書を提出いたします。

意見陳述を行なう前に、現在の心境を述べさせていただきます。
私は、ここまでに至る数々のできごとに困惑し、あきれ果てております。はっきり申し上げます、現区政に深く失望しています。

企画課、都市計画(調整)課、広報課、庶務課、特命課、教育委員会に対して隠し様のない怒りと悲しみでいっぱいですが、監査委員会においては公明正大なことが行なわれると信じ、希望をつなげてここに参りました。

それでは、私の意見を陳述いたします。
文京ふるさと歴史館が毎年発行している 「ふるさと歴史館だより」 の第13号が、2回にわたって印刷納入され、二重の支出がされていたことは、極めて不当な税金の支出であり、到底承服できかねます。「ふるさと歴史館だより第13号」は当初、関東大震災の復興計画で整備された「復興公園」の中で、当時の面影を残す元町公園を紹介する内容を掲載する予定でした。しかし、それは区民にとっては、まさに、闇から闇へとしか言いようのないやり方で廃棄され、最終的にはこの部分にあたる見開き2ページを削除したものが発行されました。

この経緯について、昨年09月27日に開催された第三回定例会総務区民委員会において 小野澤アカデミー推進課長 から説明があり、本件に関しての質問と答弁のやり取りが、少なからぬ時間を費やして行なわれましたが、結局のところ、印刷納品されたものを廃棄して、新たな13号を作成する必要性、つまり私たちが返還を要求している支出の妥当性は、見出せません。

私たちが返還を求めている支出は、09月27日の 総務区民委員会 における 小野澤課長 ほかの説明に基づいて整理すると、次のようなことから発生したものです。
 ― 昨年03月25日号の区報に、元町公園の都市計画変更に係る説明会の実施の記事が出た。元町公園の都市計画を変更する手続きを進めてここを体育館移設の用地にすることが区の方針として固められて行こうとしていた、そのことを迂闊にも、その区報を見るまできちんと認識していなかった、そこで慌てて歴史館館長と教育委員会の事務局、当時は生涯学習部とが相談をして、「元町公園の由来や特徴を紹介する記事が載った13号を区民の手に届けるのはまずい」 「区民の混乱を招く原因になる」 という判断をし、その判断、つまり、一部納品されていたものを溶解、つまり溶かして、跡形もなく処分し、かつ、その「区民にみせてはまずい」と判断されたページを抜いたものを納品させてそれを配布する、ということを 教育長 が了承した、とこういうことです。
これは、はっきり申し上げて私たち区民にとっては大変な事件です。少なくとも私たち56人の区民は、これによって、現在の区政への信頼を根幹から揺さぶられたわけです。区政にとって、大変な事件です。真摯に受け止めていただきたいと思います。

文京区に元町公園という公園があって、それは実はかくかくしかじかの由来で誕生した公園で、こういう特徴があって、という紹介の記事を区民の手元に届けることの、何がいけないのですか。

区民の混乱を招くというのは、どういうことなのですか。

元町公園を体育館用地にすることで突っ走って行かねばならないときに、そういうことが 区長部局 で決まってきたその時期に、この公園の興味深い歴史と特徴、この公園の魅力のようなことを区民に教えてしまっては、反対する声が区民から出てくるかもしれない、そういうことになったら体育館の建替えが予定通りに進まなくなるからまずい、と、まあ、このようにお考えになったのでしょうね。おそらく。

しかし、隠すのはいけなかったですよ。まったくもってよろしくありません。文化財行政に携わるセクションが率先してそんなことをする必要はまったくなかった。出すことになっていて印刷も終わり、一部納品もされていたんだから、廃棄なんてしないで堂々と出すべきだったのです。

元町公園のようなものが、区内にあることを多くの区民が知らなかった。これだけ問題になっている今現在でさえ、どんな公園か知らない人が多い。しかし、「区内に、こんなに面白くてこんなに素敵なところがありますよ」 と、そういうことを私たちに教えてくれる、そういうことをするのが ふるさと歴史館だより のひとつの重要な役割であり、教育委員会の存在意義のひとつではないでしょうか。

東京都の教育長文化庁長官詫びまで入れてシビックセンター建設をごり押しで進めたことの反省として、 「確約書」 があるのです。そこには、「新しい文化財の発掘や指定に積極的に対処していく」 と明言しているのですよ。

廃棄した、溶かして捨てさせた元町公園の記事は、この文脈にあって、区の教育長 が、歴史館館長 から相談を受けても「問題なし、このまま出すべし」と判断すれこそ、「廃棄」を了承するなどということはもってのほかではないでしょうか。私たちが返還を要求している税金を使う必要なんて、どこにもありません。
時期が悪い、今これを出したら区民が混乱するなんて、そんなの言い訳になりません。やったことの重要性をきちんと理解していただきたい。

私たちは、廃棄さえされなければこの記事を読むはずだったのです。

元町公園の都市計画変更は、当時も今も、まだ決定されていません。最初の13号を処分して作り直した、記事の存在を隠蔽してとぼけていた、これがどんなに重たい過失であるか、よく考えて、少なくとも 「リーフレットの印刷」 として契約して支出した税金を返していただきたいと強く要求します。

私たち区民は、元町公園の都市計画変更案、区が起案したこの変更、すなわち元町公園が存在している区有地を都市公園ではないとする手続きのプロセスで、この隠蔽された記事を読むはずだったのです。

それのどこが「混乱を招く」のでしょうか。
私たちは、法的に保障された権利として、区が起案したこの都市計画変更に対して賛成か反対かを「意見書」として提出することができるのです。私たちはこの記事を読んだ上で、自分が賛成か反対かじっくり考えることができたはずなのです。意見書の提出、というのは、私たちが都市計画法に基づいてもっている、まちづくりへの参加の機会なのです。
処分されてしまった記事は、明らかに、私たちが、この都市計画変更について賛成か反対かを決める判断材料のひとつだったのです。それを読ませてもらえなかったというのは、意図的な隠蔽ではないですか。捨て置きがたい大変な事件です。

さらに、申し上げたいことがあります。私たちが返還を要求している税金の支出は、「リーフレットの印刷」 という名前で契約されています。
なぜ、リーフレットの印刷としたのでしょうか。
歴史館だよりを二回つくることをごまかそうとしているとしか思えません。

総務区民委員会で 小野澤課長 はこのことについて、「リーフレットという言い方をして冊子の(特定の)タイトルを乗せないままの契約もないわけではない」 と言ったようなことを答弁なさり、続けてのご発言で、業者からの見積もりにそう書いてあったからそのままリーフレットという件名になったと言い訳なさっている。理の通らない誰も納得できない話です。業者は、発注者から言われた件名でしか見積もり書を出しませんよ。そんなの常識ではないですか。ですから、発注者が意図的に 「ふるさと歴史館だより」 というのを避けたとしか考えられません。ずっとこれまで だより といって発注してきたものが突然、この契約だけ リーフレット なんて不自然です、尋常ではありません。
さらにおかしいのは、09月27日の総務区民委員会の会議録によると小野澤課長は、05月30日に納入されて同日に検査された 「リーフレット」 なる物があるのか、という質問に対して、「その日に納入された物はございません」とおっしゃっていることです。
さらにさらに、この 「リーフレットの印刷」 という契約の中に、先に印刷した13号を溶かして捨てるという処分の経費が入っていることを答弁で認めています。そんなことは契約の文書のどこにも書いていないにもかかわらず、です。

ということは、私たちが返還を要求している税金の支出にまつわる文書は、虚偽の公文書ということですか。

私たちはこの半年近くというもの、まったくもって区政に信頼が置けない、悲しい情けない気分になっております。今回の監査請求について監査委員のみなさまが正しい結論をお出しになるためにも、また、信頼の回復のためにも、この点については、小野澤課長ほか関係した区の職員の方々ならびに総務区民委員会で質問をなさった区議の方々のご協力をいただいて、監査委員会として詳細な調査をかけて、その結果を私たち区民に公開していただきたい。このような調査は、本監査請求に正しい結論を出すために必要不可欠なものであります。何卒、よろしくお取り組みくださいますよう、お願い申し上げます。

以上

                        ◇◇◇

文京区のトリオ・ザ・かんさ は以下の通りです。
(1)猿橋弘恭:代表監査委員、区職OB
(2)廣田達人:代表監査委員職務代理人、信州大学の若先生
(3)渡辺雅史:新生クラブ区議

十分な調査とその開示、適切なご判断をよろしくお願いいたします。