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2006年12月24日

都市計画審議会、傍聴記録 その2

「・・・匠の技」に答えたのは、誰? その答えの行方は~。
さて、いよいよ傍聴記録 の続き 佳境?に入ります。

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これに対する神野課長の回答は小さな声で不明瞭な発言であったため内容がわかりません、ただ聞き取れたのは大谷(おおや)石を「おおたにいし」とお読みになったことと、カスケードの当初図面の裏にこの部分の設計者の名前があったこと、改修された部分などを考慮して区域Aと区域Bに分けたなどの話を何とか辛うじてメモできた程度です。
貴重な技術などが失われてしまうと問題だと思っている、調査報告書のまとめが結論なのか、という角野委員、いよいよ彼の結論に入ります。加藤周一氏曰く、日本の文化は雑種文化であり、それが昇華され、純化されたもの。元町公園には雑種文化は感じられるが、実際には昇華され純化されたものであるとは感じられない、ここまで引っ張ったところでようやく持論をまとめました。対する鹿倉委員、調査報告書について勝手な判断をしてしまうのではなく専門家の意見を聞くべきだ、区域Aと区域Bを分けたのは誰がどのような専門的見地から分けたのか、造園学会の再要望書、文化庁との関係も課題である、文化庁の調査官はこの現況調査報告書では不十分であること、加えて専門家との合意形成を図って欲しいということを文京区に伝えたと言っている、また朝日新聞の東京版に地元のまちづくり円卓会議が設立された記事が出た、区の担当者と一緒にまちづくりを考えたいというこれらの住民の意見にどう応えるかが課題。

笠原委員、元町公園は素晴らしい公園だと思う。角野委員が揶揄(やゆ)してこっそり、本当に自信を持って文化財だと言えます?と発言。笠原委員それにとりあわず世田谷での例をひきつつ、文学館をつくったらよい、人が集まる場所ができることで、管理状況も改善されるかと思う、形だけを残すのではなく小学校も併せて残すのが良いと思う。角野委員、公園100選の一覧で他の公園は堂々たるもの、区の「まちづくり指針」では元町公園は外堀通り沿いの景観ポイントとしては不十分とされ「文学の道」としての公園の再整備に触れ、壁泉やカスケードを道路側の前面に出すのが良いなどとしている、そのような中で実際に公園をどうするかという話。

国府田委員、現況調査の中で歴史性の検討がなされていないことが問題、例えば元町公園に保育所があったことなどに触れていない、(戦後のかまぼこ兵舎を再利用した保育所の出入口に立つ子供たちの写真を掲げつつ、保育所のことを語る)こうした生活の話が公園として歴史として重要である。ここで設楽委員が公園の生活の話にうんざりした様子で揚げ足をとりにかかる、(保育所は今はもう公園の中にはないということから)公園もなくしてしまえば良いということか(会場一瞬ぎょっとする)、元町公園だけが特別だったわけではないはず。国府田委員答えて、それを決めるのはこの都市計画審議会ではないのは確かだ、だがそういうことが報告書に書かれていないことが問題だと言っている。

鹿倉委員、月刊文化財(平成18年4月号)に文化庁記念物課主任調査官である本中氏の記事が掲載されている、そこには名勝としての公園の指定基準の例が示される中で、指定を行う対象に「大正12年の関東大震災の復興を契機として開設されたもの」との記述がある、それを熟慮してもらいたい。

角野委員、文化財保護審議会からは要望書が出ているなどの資料があることを考えたときに、会長として今回出されている資料の資料性の価値判断をお尋ねしたい。東村委員、思わずかっとなって、ここは都市計画審議会である、文化財保護審議会ではない、検討するための資料は出揃っていると思っている。
梶島委員ゆっくり落ち着いた感じで、先ほどの文化庁からのプロポーザルに対する意見の文脈がわからない、教えて欲しい。神野課長(相変わらず不明瞭な発言なのでよくわからないのですが)文化庁に説明に行った、都市計画審議会を開くという区の判断については理解をしてもらっていると思っている。10月の名勝部会では議題ではなかったようだが元町公園のことが話題に出たようだ。梶島委員、その意図は? と質問。神野課長、……(うーむ、緊迫してとてもいいところなのに残念ながら聞こえない)。

いよいよ戸沼会長の総まとめです。会議終了の定刻を30分過ぎた4時半頃。
造園の専門家からも意見は聞いた、現況調査報告書に、元町公園はすぐれた意匠と構成のものである、というまとめが出ている、その中で区域Aと区域Bを残すという案が出ている、「歴史公園100選」に選ばれたということはかなり重要なこと、ほぼ全部の関係する学会が残すべきだと言っている外部評価があることも重要、どこまで残すかという判断の中で文化庁とのやり取りが問題、自由広場から神田川までの段状のつながりは重要、文化財保護審議会に諮問をしないのは疑問、全体を見て判断すべきとのことであるが、区の文化財保護審議会の方々の意見はばらばらのように思う、それを短時間でも今度の案について正式に検討をすることを要請してもらうのがよいと思う、報告書はしっかりしたものだと思う、景観審議会の西村会長はまず全体を見て個々の内容を見ていくように話している、様々な方たちから今回の決定に重大な関心が寄せられている。週明けにもこの案について文化財保護審議会で良いか悪いかという話をしてもらいたい。
角野委員、学識として三者の意見をまとめて欲しい、資料が不十分ということでしょ。
戸沼会長、資料とそれに対する解釈の問題である。
国府田委員、文化財保護審議会だけでなく、この案を区民にも説明して欲しい。

場内ざわざわっとなる中で、戸沼会長、ということで審議継続とします、と言ったかいわないか(言ったんでしょう、きっと)。プレスの方達は会長を取り囲み、その他の委員、区の方々、傍聴の方々はそれぞれの思いを胸に会場を後にして行きました。何となく会場に所在なげに残っていたどこのどなたかは存じませんがご高齢の方達の最後のことば、今日のところはいろいろ言われて難しかったようだけれど、いずれ強行採決でしょ。