« 当ブログ8月3日に新聞記事を追加掲載しました | メイン | 都計審の答申はいつ出るの?  »

2007年08月08日

都市計画審議会、ぱぱっと傍聴速報!後半です

文京区都市計画審議会の続き。 いよいよ後半です。

前半は、白石委員(新任、自由民主党区議)からの質問で、青山企画政策部長が、体育館の建て替えについては対象地として元町だけではなくほかの選択肢も考えている、と答弁をしたところまででした。

それを受けて、
笠原委員(公募区民) 区長の所信表明を読むと、文化財的価値のことには何も触れられていない、これは問題である。また相変わらず元町公園に体育館を持ち込もうとしているように読める。
と異議を唱えます。戸沼会長、再び議論が紛糾しそうなのを避けて、意見をまとめて答申の形をさぐることを提案。村越委員(新任、市民フォーラム区議)、もうひと押し、元町公園における体育館の建て替え案を廃棄したい旨を発言。対して、

菊見委員(新任、自由民主党区議) 文京区の現案をひとつの案として活かし、取り下げる必要はない。選択肢が増えたものと考えている。
国府田委員(日本共産党区議) 一度ここでしめるのは構わない。ただし、この次にどういう形での審議になるのか大いに不安。都市計画審議会から次の新たな組織体に対して、学識経験者などの参画を含めた要望を出すべきではないか。
戸沼会長(早稲田大学名誉教授)、重ねて、そろそろ諮問に結論を出すべきであること、ただし採決をせずという工夫をしたいことを表明。
梶島委員(埼玉大教授) 体育館をどうする、公園をどうするのか、ということを再度検討をしていただきたい。どういう言葉が適切であるかはわからないけれども、差し戻しとさせていただきたい。文化財としての価値に留意をした上で、案を再検討してもらいたい。
村越委員 文京区の教育委員会は、文化財保護審議会に対し、元町公園の文化財的価値については諮問をしないことを決定してしまっている。
大方委員(東京大学教授) 文化財としての価値は認識していると思いますよ。全部保存か部分保存であるかの問題。ただし、東京都の同意を取ってしまった形になっているので計画地の境界線を動かすことができなくなっている。このままでは事務局も身動きが取れなくなっている。再考を要するという言い方なのか、差し戻すのか、いずれにせよ再検討をしてもらうのがよいだろう。
松丸委員(新任、公明党区議) 区長の所信表明が重要、区民の広範な意見を聞くことが大事だとして、この審議会の答申をまとめることにしてもらいたい。

ここで、いよいよ戸沼会長の見せ場です。

戸沼会長 実はちょっと、来る前に答申の案をつくってみました。

というわけで、事務局から委員の皆さんに戸沼会長の答申案が配られます。

戸沼会長 ちょっと読みます。‥‥このたびの元町公園に関する都市計画変更案について、平成18年7月26日開催の平成18年度第一回文京区都市計画審議会への諮問に基づき、慎重に審議を行い、審議会の各委員からも様々な意見が出されてきたところであるが、 ‥‥ここでちょっと付け加えたいのですが‥‥元町公園の歴史性、文化性についてさらに議論を深めるなど‥‥なお検討すべき課題が残っている。また、本都市計画変更案は、社会的影響が大きい内容を含んでいることから、さらに区民をはじめとする広範な方々から意見等を聴取するなどして、再検討されたい。 ‥‥これに加えて次のコメントを添えておきたいのですが‥‥なお、審議会としては継続審議とせず、この案件についての審議を今回を持って打ち切りにしたいと思います。‥‥このコメントを添えて答申案としたいと思います。

設楽委員(公募区民) 異議ではないのですが、付け加えていただきたいのは、大方先生も言っておられたように、線引きがなされてしまっているから窮屈。北側に公園を移転する条件が体育館が来るからなのか何なのか良く見えない。文化財的価値に限らず予条件が曖昧であることが問題ではないかということ。
戸沼会長 ご意見としては伺いますが、答申は簡潔なものにしたい。今までの一連の議論の中で学習も進み、情報もいろいろといただいた。文化財のことや今のお話の線引きのこと、都市計画変更の案の扱いや運営の仕方についてなども随分と学習をしてきたと思う。おそらく4回も、ということは不手際ということかもしれませんが、これはやむを得ない学習であったと思います。

村越委員 都市計画審議会でさえこのように回を重ね、専門家がいないので検討をできないといっているものを、区民の手に委ねてしまうというのはとても重いものだと思う。
国府田委員 組織を新たにつくる場合に専門の方々を入れてもらいたい。体育館や東洋文庫の移転のことも白紙に戻し、東京都から元町公園を東京都指定名勝にしたいとの打診があった資料なども出し、情報をきちんと提示してもらいたい。
ここで、白石委員が、これは区民にとって有益な計画ということで‥‥といいかけたものの、戸沼会長から、そういう議論はあとは区議会でやってください、と斥けられる。

そして、最後の会長の総括のお言葉です。

戸沼会長 4回の継続というのは異例のことであるものの、その間にきちんと学習をしたと思う。景観審議会や文化財保護審議会から意見を聴取したいという手続きは必要なものであって、この4回は無駄ではなかったと思う。しかも今日は全会一致で結論が出ました。この間、文京区の景観審議会や文化財保護審議会、それから関係の学会、そして区民、市民から数々の有益な情報をいただきました。私としましては、市民社会の良識というものに改めて敬意を表したいと思います。本日の審議会をこれで終わります‥‥。

ちょうど4時少し前、こうして、じわーっとしみじみ終わるはずだったのが、
挙手とともに「はいっ」、「はいっ」、と元気な声が響きます。村越委員と国府田委員です。

村越委員 旧元町小学校校舎の解体費用の予算がついていますが、北側への公園の移転がなくなるとなるとその取り扱いはどうなりますか。
青山部長 質問をされたからお答えしますが、現時点では凍結ということになります。
戸沼会長 ありがとうございました。これで終わります。

ということで本当に終わりです。
戸沼会長をはじめとする委員の方々、本当にありがとうございました。
また昨年度までで交代なさった審議会の委員の方々もありがとうございました。いろいろな見せ場をつくっていただきました。

そして、傍聴速報に4回もお付き合いくださったみなさまも、ありがとうございました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

■ われらが(?)傍聴王 http://www.npo-rprogram.jp/motomachi/blog/200708/000479.html#more は、先着順の争いに敗れた! と悔しそうでした。今回は、たった一日で席が埋まってしまいましたものね。・・・「エレベータで一緒でした」、「廊下で見かけた」などモクゲキ情報が多数寄せられました。登庁にはなったようですね。

■ 元町公園の都市計画変更案について、審議中ついに、一言も発言しなかった区議委員が二人います。山本委員(文京区民主クラブ区議)、前田委員(新任、新風会区議)です。

■ 耳障りな不規則発言の最多者は、白石委員(新任、自由民主党区議)でした。ボーイスカウトらしからぬ恥ずべき態度だと思います。