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2007年06月13日

06月12日:議会にて2つの質問

今日の区議会では、元町公園の問題について区長に対して2つの質問がありました。
1つは、自民党の武澤区議によるもの、もう1つは共産党の小林区議のものです。

この2つの質問は、まったく対極にあるもののようです。
以下にそれぞれ、元町公園に関する部分のみ引用し、ご紹介いたします。


1.武澤氏による自民党の代表質問
 質問の第八は、元町公園と旧元町小学校跡地の整備などについてであります。
 この計画は、喫緊の課題である老朽化した総合体育館の移設 (下線は引用者、以下同) を行うとともに、元町公園と旧元町小学校跡地を一体的に整備し、公園機能と防災面の向上を図るものだと認識しております。
 湯島の総合体育館は、現在も多くの区民に利用されている、大変に有益な区民施設であります。この建て替えは、多くの区民の望むところであり、早急に取り組むべきものであります。
 一方、現在の元町公園は、段差が多く、暗いなど使い勝手が良くないため、利用者も少なく、非常に残念な状況です
 また、元町公園は、都内52ヶ所造られた震災復興小公園としては、現存する唯一のものであります。このため元町公園の詳細な現況調査が行われ(?! 記号は引用者、以下同)、専門家の意見聴取がなされたものと認識しております。その上で開催された都市計画審議会においては、都市計画分野のみならず、景観的な側面や文化財的視点から広範な議論がなされ、現在、継続審議となっております。
 この公園に対しては、区民からも様々な要望などが寄せられておりますが、区長は、所信表明において区民参画を区政運営の基本原則に掲げ、区民と協働し、正面から向き合う区政運営を推進されるとのことであります。
 そこで伺いますが、この元町公園においては、区民ニーズを踏まえ、総合体育館の建て替えや地域の防災機能の向上、利用しやすい公園づくりに取り組んでいただきたいと願うものであります。そのためには、さらなる区民参画を求め、広範な意見や要望を汲み取っていくことが肝要であると考えますが、今後の取り組みについて区長のお考えを伺います。

2.小林氏による共産党の代表質問
 次に、いまや全国的、全都的に大問題となっている元町公園について伺います。
 元町公園廃止についての都市計画審議会は、3月19日、三度目の継続審議となりました。これは、全国の都市計画審議会でも極めて異例の事態であり、全国的にも都市計画や造園・文化財関係者、マスコミからも注目を浴びています。また、新区長の掲げる区政運営の四原則という「手法」を元町公園問題で行うのか、区長への評価がかかっていると言っても過言ではありません。
 区教育委員会は最後まで、元町公園の文化財指定について諮問することを拒否しましたが、当の「文京区文化財審議会」の委員全員による「元町公園・元町小学校の保存・活用に関する意見および要望書」が提出されました。公園の一部保存案については、「東広場・小広場およびその周辺を壊した後に再整備するという案に賛同することはできません。」とし、元町公園が、「国もしくは都の文化財として指定されるに相応しい」ので「今後、元町公園・旧元町小学校の文化財としての価値を減ずることなく、保存・活用の措置を取る事を強く要望いたします」と、強く表明される内容となっています。
 さらに、国の文化財審議会第三専門部会の名勝委員会からも、文化庁長官あてに「東京都文京区元町公園の保存に関する意見書」が再度提出され、区の一部保存案に対して「公園から切り離された施設は公園ではなくなり、名勝としての価値を消滅させるもの」と断じ、「この公園は国の名勝に相応しいもの」と言い切り、「文化財として指定をする絶好の機会である」と提案しているのです。
 区長は昨日、所信表明演説で元町公園について、「高低差が多く、平地面積が少ないため敷地の効率的活用や安全面において問題を抱えており、改善が求められて」いると述べましたが、区長がいまだにこのようなレベルの認識で元町公園を語っていることは驚きであります(太字強調は引用者、以下同)。
 この公園は、「日本の歴史公園100選」で、小石川後楽園、六義園等と並んで選ばれた公園であり、「日本の美しい歴史風土100選」にも選ばれている、いまや「文京区の宝」です。「日本の元町公園」だと都市計画審議会の席上、学識経験者の審議委員から指摘されるような公園ではありませんか。「利用上の問題があるとすれば、ひとえに維持管理のあり方に帰す」と、景観審議会委員の斉藤教授ほか多くの研究者が明らかにしているところです。利用上における議論はすでに都市計画審議会でも、景観審議会でも、幾多の学会の要望書でも繰り返し行われており、高低差も安全問題等も元町公園の文化財としての価値を損なうものではなく、現状保存しない理由にはなり得ないのであります(?)。
 文京区の文化財審議会委員全員と東京都教育委員会の史跡等整備委員会、さらに、日本を代表する国の文化財審議会が「文化財」とであると言っているのですから、いまや元町公園が文化財であることは疑いようもありません。
 そこで伺います。区長は元町公園について、文化財ということには昨日の所信表明も含め、まったく触れていません。元町公園が文化財であることを認められるかどうか、明確に答えてください。また、仮に公園を部分的に残しても、それは「名勝としての価値」の「消滅」になると指摘されたことを、どのように受け止め、どうするのが良いと考えるのか伺います。
 また、文化庁文化財部記念物課は地域住民・行政・学識経験者と合意形成を図ることを区に求めています。区長は区長選に立候補を表明した2月に、朝日新聞のインタビューに答えて『「都市計画決定を急ぐのではなく、関係者の合意が得られるようあらゆる可能性を検討すべきだ」として、総合体育館の公園への移設計画見直しも含めた議論を提案している。』と報道されていますし、選挙後の5月18日付けの都政新報では、「計画の全体像が見えていない段階で公園の移設だけの話になった。」ことを問題点としてあげています。そして「公園に隣接している元町小学校に体育館を建てること」も「理屈上可能」とし、「いろんな選択肢があって、どれがいいか、集約の作業があっても良かった。」と語っています(そういう作業なく、公園をつぶす案が暴走していたのか!引用者だまっていられず・・・)。
 所信表明では、「総合体育館を含めた一体的整備案は、公園機能と防災機能の向上を図る視点から有効な方策の一つであると考えております。」としていますが、区長のお考え通り、都市計画決定を急がず、あらゆる可能性の検討こそ、今行うべきではないでしょうか。元町公園を「文の京」に相応しく保存し、観光資源としても生かすのか、文化財を破壊した区長として名を残すのか、いま問われています。
 都市計画審議会戸沼会長と学識経験者の方々は、第三回都市計画審議会の前にこの都市計画変更案を取り下げるよう進言していました。三度も継続となった都市計画案は一旦取り下げ、区民も研究者も参画した協議機関を設置し、再度計画を練り直し、合意形成に向けて仕切りなおすのが最善と考えますが、区長の見解を伺います  。


・・・さて、区長の答弁は?