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2007年03月20日

第三回文京区都市計画審議会 速報!

みなさまおなじみになってしまいました都市計画審議会速報です。三回も継続審議になるとはまったく本邦初ではないかというぐらいの異例の事態で、本来はこんな形でおなじみになどなってはいけないものなのですが。
   ま、気を取り直していつものように。
   あくまで速報ですので、正確には 会議録 が出るのをお待ちください。

以下、どうぞ。

第三回文京区都市計画審議会 2007年03月19日 14:00~

まずは戸沼会長の要請を受けて、小野参事から、前回の第二回都市計画審議会で出された情報請求などに対する資料提出についての説明。

1.景観審議会と文化財保護審議会の意見
2.今までの経過
3.イメージ写真
4.審議委員3名(笠原委員、国府田委員、鹿倉委員)連名の要望書について

1-1.景観審議会の意見について 02月06日の景観審議会の最後に西村会長が総括した部分を事務局がまとめたものと会議録全文を資料として添付。事務局によるまとめを小野参事が読みます。なかなか景観審議会では意見はまとまりません、という内容。
(ここで、今回資料の見どころ! この部分に事務局の注がついています。「この主な意見は、景観審議会の最後に西村会長が会議の内容をまとめられたものを会議録に基づき、まとめたものです。」さて、ここで、西村会長もお忙しいのによくまぁ、おまとめになる時間が取れたものだ、と思ったあなた、事務局の思う壺です。よく読んでくださいね。ついでにもうひとつ、すぐ下の注「なお、主な意見の11の表現が会議録とは異なっておりますが、会長の発言趣旨がそのようなものであったことを西村会長に確認しております。」ってことは何だ、他の1から10までは会長の確認を取ってないってことか。と、このように資料の行間に書かれている「真実」を探求するのもまた楽しからずや、です。)

1-2.文化財保護審議会の意見について 02月10日に区長宛に提出された要望書が文京区文化財保護審議会の委員全員によるものであり、意見として聞くべきだろうというもの。表題は、「元町公園・元町小学校の保存・活用に関する意見および要望書」で、区による現況調査報告書が不十分なものであり、前回パースで提示された区の検討案に賛同することはできない、元町公園・元町小学校を一体として考えた際に小学校の詳細な調査と評価が必要である、元町公園・元町小学校の文化財としての価値を減じることなく保存・活用の措置を強く要望する、というもの。

2.経緯について 昨年の02月から12月の第二回都市計画審議会継続審議までの経緯。

3.前回の景観審議会にも提示された、白いぬーっとしたヴォリュームと元町公園との合成写真 何だかよくわかりません。

4.連名の要望書について ひとつは国の文化審議会第三専門調査会名勝委員会からの文化庁長官に宛てた意見書を資料として配布すること、もうひとつは参考人招致について。

4-1.名勝委員会の9名の委員の先生方が連名で元町公園の文化財指定をして保存に尽力をと訴えているもの 文京区景観審議会の会長である西村幸夫先生のお名前も見えます。

4-2.「参考人招致」 と言われて、ふと傍聴人席を見ると、造園学会元会長の進士五十八先生、文京区文化財保護審議会の委員である谷川章雄先生(考古学)と内田青蔵先生(建造物)がいらっしゃるではありませんか!皆様お忙しい方ばかりなのになんと素晴らしいと思うのも束の間、戸沼会長から今回は手続きが不備のため参考人の招致は致しません、とのお言葉。参考人を呼ぶからには、事前に十分な手続きを取り、賛成と反対の両方のご意見を伺うべきだ、とはごもっともなお話。小野参事も昨年09月04日の専門家との会合でご意見を伺っており、既に十分、と後押しをします。

ここで、戸沼会長から、02月22日の会合の報告なるものがありました。出席は、今回の都市計画審議会の学識経験者(専門家は「学経」といいます。知ってるとちょっと自慢できる?)3名(戸沼先生、大方先生、梶島先生)と区の 川北都市計画部長、松田土木部長、神野特命担当課長 と もうおひとり。学経の先生方から、これだけ明確に文化財的価値が示されている以上は部分的な保存ではいけない、9月4日の専門家との意見交換会で造園の赤坂先生も残すべきであるとのご意見、景観審議会の会議録をみても時間をかけて内容をつめたほうが良いとの意見が多い、などのことを考慮すると、案を取り下げてはどうか、と意見をした。ところが区は今年度内に三回目の審議会を開いて欲しい、と申し入れ。再度学経から、今回の諮問に対しては臨時委員として造園の先生を入れるべきであったこと、かなりの反対が多いようで賛成の意見が聞こえてこない、一ヵ月後に区長選を控えており、元町公園が争点になっていることから選挙後に今回の都市計画公園の変更についての審議の続きとするのはどうか、今採決をしてしまうと大事な区民の意見を逃してしまうように思う、などの意見が出された。それでも区としては会長のいう資料も一所懸命揃えたのだし、是非やってくれという要望。
さて、今回の審議をしていく中で思ったより重要な議事だということがわかった、提案者の区長がおやめになるというのは大きな変化であり、その後の区長候補の報道記事を見るとひとりは反対で、もうひとりも慎重な意見。こういう状況を踏まえた中で今日は議論をしていただきたい。

と、ここで山本委員がこれまでの汚名挽回!とばかりに、すっくと立ち上がります。

山本委員 これは区政にとっても重要な決定だと思う。選挙が近いことと区長が変わることは関係ない。どのように区民の意見を聞くのか。

戸沼会長 区民の意見を集めることは審議会長としてはできない。区民のそういう意見こそ区議であるあなた方のところに来るのではないのか。

とばっさり切り替えされて、山本委員、汚名を雪(そそ)ぐことに失敗。これを受けて、

岡崎委員 使い勝手が悪いなどの意見は聞いている。区の都市計画として今のままでよいのだろうか。

鹿倉委員 学経の意見に賛成。区民の意見として公式なものは、縦覧に対する意見書。反対が75通で賛成なし。今年の2月の体育館に対するアンケート調査の集計結果でも、体育館は四中跡に、という意見がほとんど。説明会を地元で開いていないのはおかしい。

国府田委員 同じく学経の意見に賛成。元町公園にも密接にかかわりのある学校統廃合問題は見直しという状況。様々な検証が不足していること、教育委員会が文化財保護審議会に諮問しないことも疑問。日影や風の影響についても検証不足。

戸沼会長 確かに検証不足という点では、どこを残すかなどの議論はしたが、北側については平らであることなどしか言っていない。

雲行きが怪しいと見た東村委員、鼻息も荒く、

東村委員 区長が辞めるのは別問題。諮問を受けた以上決めないのは責任放棄ではないか。審議委員の中に次の区長候補がいるのは利害関係者として問題ではないのか。町会で説明をしたように経緯に書いてある。議論は尽くした。

と、ぎゃんぎゃん噛み付きます。以下今まで余り活躍が見られなかった委員も含めて順番にご意見をたまわります。

藤野委員 昨日の昼に元町公園に行ったが子どもが遊んでいないのが問題。安心して遊べるところが必要。

角野委員 政治的な立場に影響されるということになるのは良くないと思う。ここで決を採るべき。

梅原委員(警察署長) 都市計画として判断すべき。

(消防署長は欠席)

吉田委員(都第6建設事務所長)行政の立場から考えると、こういう事業計画のときには概ね反対意見ばかりが出るもので、できる限り耳を傾けて現実的な妥協をすることが行政判断である。文化財については区が都市計画的な判断の中で決めるべき。ただ審議会の意見としては僅差で意見が割れてしまうようでは良くない。

服部委員(東京中小建築業協会名誉会長)今の区の提案は公園を南北に分割してしまっており賛成しかねる。公園を一体につなぐように西南の角に建物を建てるのが良いという地元の意見があるが、そうした声が入ってきていない。とはいえ、ここで決を採るべきで、区長勇退の花道を用意すべきだ。

設楽委員 ここまで審議が長引いているのは、区のプロジェクトとしての全体像がよくわからないからではないのか。区が考えている筋道をきちんと示して欲しい。

笠原委員 公園に人がいないというが、それは大事なものがありながら、それを宣伝しない区の責任だろう。文化財をなくしてしまおうという区の考え方はおかしいと思う。

梶島委員 1. 区長選後にこの重大な採決をしたい。まだ様々な意見が出ている中で決を出してしまうと次の行政執行上の混乱をまねく可能性がある。
 2. 公園を保存するということが、現状のまま十分な管理もされないということなのではない。
 3. 様々な専門家の意見を見ると、元町公園が文化財であると考えざるを得ない。その上では文京区がその去就を勝手に決められるようなものではあるまい。この公園には東京の震災復興の祈りが込められていると思う。機能を越えた存在である。きちんとした保存をしたい。

この梶島委員の言葉にあまりに感動した傍聴席からは嗚咽の声がもれました(ほんとです)。

大方委員 政治とは独立したものと考えたい。ただし、区民の意見がまだ見えていないように思う。今までの都市計画審議会の中で着実に議論は進められて来ている。そのなかで文化財保護審議員の方々が反対要望を出している以上は都市計画審議会で押し切ることはできないだろう。個人的には区のこの検討案はベストではないかと思うが、この検討案がだめだというからには、体育館をここには建てられないということではないか。今回の都市計画審議会の進め方が逆だったように思う。きちんとした案もなく、縦覧をし、知事同意も取ってしまった。この1年で状況が大きく変わった。調べてみたらよいものだということがわかった以上、区は再検討をすべきだろう。少なくとも数十億円規模のプロジェクトなのだから準備に3年はかけるものだろう。まだ1年なのだから、これからアイディアコンペなどを実施してはどうか。ここで賛否を採るべきではない。とるとなれば反対せざるを得ない。

ここで戸沼会長がひとりの委員としての意見であるとして、お話になります。

戸沼会長  今日この会議の前に元町公園へ行きました。若い方たちが食事をしたりしていました。審議を進める中で途中でこれは重要な議題であることに気づいた。防災という点で重要なものだと理解した。このパースの絵はうそですよね、これでは車が地下に入れない。また、先ほどの公園を三分割してしまうというご意見は正しい、おかしいものである。
 手づくりでつくったものには風情があるものだが、そこへこのようなものが建つと全てが失われてしまう。東京駅や日本橋の話など時代の流れは古くても良いものは遺そうというもので、今回の話は逆行するものである。この都市計画審議会の場での判断は歴史的なものとなる。大局的に見てとても重要なものである。都市計画審議会に造園と文化財と景観の専門家を臨時委員として加えなければならないという思いである。次回の決を採る際には入れたいと思っている。

鹿倉委員 美しい日本の歴史的風土100選にも入っている。また1,000人以上の保存要望の署名が集められ、今朝区長宛に提出された。

設楽委員 ここで文化財としての価値を決めるのか、よくわからない。

戸沼会長 都市計画公園を今の元町公園から解除して北へ移すというのが本題。今の公園を廃止するのが良いかどうかということ。歴史性の継続という議論もある。

設楽委員 一定の条件を付すということか。ただ、最初の審議会でも尋ねているように、どうなるかが見えないと決は採れないと思う。

このあたりでもう大きな流れは見えてきています。ここで小野参事の悲痛な叫び。

小野参事 専門家の意見を聴き、パースをつくり、現況調査もした。区側としては出し尽くした。後は審議会の方々に委ねたい。

角野委員によるちょっとした茶々は入るものの、大きな流れがまとまって行きます。 (今回の角野委員はいつものような、ちょっと焦点をはずして肩を脱臼したような絶妙の独特の冴えが見られなかったなぁ~、残念。)

国府田委員 情報は出し尽くされてはいないと思う。ふるさと歴史館だよりの廃棄事件にからみ、3月16日付けで訴訟も起きている。区の動きは異常としか言いようがない。造園、文化財、景観の専門家を審議会に入れることに賛成である。

角野委員 大塚女子アパートも専門家の保存意見は出たが結局取り壊しになった。文化財の先生方が個人的なご意見をお持ちになるのは構わないが。

鹿倉委員 大塚女子アパートを取り壊したことについては、東京都は訴えられて負けてますよ。

梶島委員 政治的関与というのは通常は、区長の様子などを窺って委員の意見が変わるような場合のことを言うもの。今回ここで決を採らないというのは、そうしたものを切り離そうということ。

国府田委員 小学校がもっと生きた形で活用されていけば公園もいきるだろう。

戸沼会長 審議会の宿題は事務局は確かによくフォローしてくれた。事務局を信頼している。ただ、ここで文化財保護審議会としては反対であることははっきりした。最初に見たように景観審議会の西村会長も反対のご意見を出しておられることもはっきりしている。この場で決を採るにはメンバーが足りないと思う。造園と文化財、景観の3人の臨時委員を入れた形で選挙の後に審議を続けたい。

(事務局、いよいよ慌てて)議会構成も変わってしまいますが‥‥、の声にも戸沼会長、やはり毅然として動ぜず。

戸沼会長 任期はいつまでですか?区議は4月、他の方は9月ですね。やむを得ないのではないですか。区民とも意見を共有したい。会長権限としてそのようにしたい。

山本委員ここでまだ食い下がります。

山本委員 臨時委員はどうやって決めるのか。

戸沼会長 臨時委員は事務局とも協議すべき事項であり、権限は区長にある。

小野参事の最後のあがき。そして、あっさりと、しかし厳かな幕切れへ。

小野参事 公園の専門家が審議会にいないということで意見を伺ったのですが。

戸沼会長 採決に専門家である臨時委員がかかわるということが大事なこと。以上で今日の会を終わります。