« 24年前のきょう | メイン | 新聞記事 »

2006年07月30日

7月26日都市計画審議会傍聴、報告!

 先日の都市計画審議会の傍聴速報(ちょっと遅いけど)を出しておきます。ご興味のある方はご覧下さい。これは速報として ぱぱっと まとめたものですので、後日、議事録が区から出た暁にはそちらを正式なものとしてご参照ください。

文京区都市計画審議会 平成18年7月26日14時~ 於:区議会第1委員会室

○開会、区長挨拶、諮問が型どおり行われ、区長は早々に退出。

○続いて都市計画部計画調整課小野参事より、当日配布資料に基いて、「東京都市計画公園の変更について(文京区決定)」の説明がなされる。
 今までの説明会、縦覧などで語られてこなかった内容であらたに付言された点は、都市計画公園の4つの機能を挙げたことである。その機能とは、1.レクリエーション、2.環境保全、3.防災、4.景観形成であるとして、それぞれについて新しい元町公園の利点を説明した。1.については平坦地が増えること、2.については体育館側にも緑化をすること、3.は北側住宅地に直接公園が面すること、4.については歴史文化上の地域のシンボルは損なわれてしまうことは認識しているが、部分的に残す努力はする、などの内容を述べた。
 また、縦覧の時点では公にされておらず、今回あらたに付け加えられた資料としては、「都市計画公園の考え方」と「元町公園の都市計画変更に伴う文京区の考え方について」がある。前者は都市計画部長名義で出された文書で、都市計画公園が文京区の「基本構想」と「文京区緑の基本計画」に適合すべきであることを確認している。後者は、東京都知事に対して文京区長が考え方を説明するという形式を持ったもので、上記の4つの機能向上をうたい、加えて体育館建設の際のプロポーザルの予条件がまとめられている。予条件として1.外堀通り側から新しい元町公園へとつながる園路の設置、2.外堀通り側の現状と同等の緑化、3.現在の元町公園の歴史性の継承、4.新しい元町公園との一体的利用の4点があげられている。

○14時半過ぎから、現時点での情報を整理するための質問という形で討議が開始される。
 まず大きな論点としては、文化財的価値を認められるかということと、地域住民は公園をどう受け止めているかということ。
 国府田委員から都からの文化財指定の打診の真偽と地域住民からの苦情の実情について質問あり。
 企画政策部徳田企画課長は、文化財関連として、25日夕刊の東京新聞記事について事実と異なる点があり抗議をしたと述べるが、平成16年8月にまず電話で打診があったことを認めた。続いて9月に面談、その後は再び電話で安全上の問題などで指定を見合わせたいことを話し、その後は双方何も連絡はない、と回答した。ついで具体的には復興小公園としての価値、デザインとして優れていることは認識しているが、正式には文化財的価値については一切検討をしていないことを明らかにした。小野参事は何らかの形で歴史性を考慮したい旨を繰り返す。梶島委員(埼玉大学教授)より歴史性や文化性を議論するのではなく、文化財としての検討をすべきである旨の発言があった。区側からは、都とのやり取りの中で文化財に指定をされてしまうと利用者に危険な場合があることがわかり、街区公園として利用者重視の公園としたいことを述べた、部分的に文化財的なものがあることはわかっているので残す配慮はしたいと回答。
 また、苦情については土木部篠原みどり公園課長が回答したが、その後の鹿倉委員からの追及でここ数年間のなかでたった4通の公聴はがきによるものであること、そしてその内容も異臭がすることに対してホームレスを何とかしてほしいという苦情であるなど、公園のありかたそのものを問い直すような内容ではなかったことが明らかとなった。次に、公的データ上では、元町公園利用者は年間3400人あまり(平成17年度)であり利用者数が少ないことを移設の理由として挙げた。同じく鹿倉委員の調べた公園連絡員の日誌からは公園が十分に活用されていることが伺え、その検討がなされていないことを指摘。また元町公園に隣接する地区の在住・在勤者たち240名の公園を残してほしいという署名にも言及した。小野参事は、自分が公園を訪れたときは誰もいなかった、と述べて会場内の失笑を買っていた。
 次に、緑地景観についての質問へと転換。
 設楽委員(区民公募)より文京区の提案している緑の軸とは何か、新しい元町公園がその軸に面しているとの説明だが内容が不明瞭であるとの質問。小野参事が説明を試みるも、要は「絵空事でしかない」としか思えないとの委員の結論を引き出しただけだった。
 次いで、新しい公園への日照の話から新築施設の形状・規模などへ話題が移る。
 国府田委員より公園の日照について質問あり、都の公園担当者とも話したが建物の北側にわざわざ公園をつくることは常識外だ、とのこと。プロポーザルで条件をつけて建物形状を規制し一日中日陰になってしまうわけではない場所をつくることはできるとの小野参事の回答。
 梶島委員から質問を受けて、徳田課長から経緯などの説明あり。湯島の総合体育館は一部耐震上の問題があり建替えが必要、当初小学校側への建築を考えたが、区財政に負担を与えないよう共同事業者を募りやすい公園側での建設へ変更。現状では区有地として今後どう扱うかを検討中、共同事業者はマンション業者などではなく公的な機関を対象としたい、規模は未定だが、少なくとも体育館の現状4600?に共同事業者の必要面積を足したものとなる。再び梶島委員より、事業計画が先行していることを憂慮、床面積をどれほど増やせば共同事業が成り立つと考えているかとの質問。徳田課長は区有地を提供することでの共同事業であることを強調、8月に事業スキーム検討が終わると回答。その結果が出てから都市計画公園変更の審議としてはどうかと梶島委員。
 質問だけで意見を交わすこともなく終了予定の16時に近づいてしまったので、まずは30分の審議延長が戸沼会長(早稲田大学名誉教授)より動議され了承される。
 そして、公園のイメージの継承についての話題から、最後に各委員にひとことずつ意見を求める。
 角野委員より、公園をよくしたいと思っていることは分かるが、その具体的イメージが現段階では全くわからない、震災復興のイメージなのか、文化財価値はどうか、緑をどうやって担保するのかなどわからないことが多いと質問、知恵を出し合ってよい方法を模索してもらいたいと述べる。篠原課長が外堀通り側の壁泉とカスケードは残したいと発言。服部委員(区民公募)は遺構を残すことを考えればよい、やってみなければよいか悪いかわからないと発言。設楽委員、学術的価値はここでは判断しかねる、様々な意見を入れて多面的・総合的に判断をお願いしたい、公園部分を先に決めてしまうのはおかしい、体育館とまとめて検討をしてほしい。笠原委員(区民公募)、文化財的価値をどう考えるか、公園をどうするか、意見が混乱しているようだ。国府田委員、プロポーザルの全体像が明らかになった時点でもう一度話をしたい。鹿倉委員、文化財的価値を検討していないのは問題だ、公園移設を決める前に一体的な整備計画を提示するべきだ。梶島委員、まずは文化財としての検討を文京区文化財審議会で検討してほしい、景観形成上でも大きな意味のある場所、歴史的景観軸にものっているところなので、文京区景観審議会でも検討をしてほしい、土地利活用の検討結果を待ってから結論を出したい。大方委員(東京大学教授)、現段階では情報が少なすぎて結論を出せない、9月に出し年内には業者を決めたいというプロポーザルの結果を見たうえで都市計画公園の決定、継続審議としたい。戸沼会長、個々の部分の文化財としてばかりではなく、空間構成全体としての重要性もあるだろう、プロポーザル設定条件などにおいて制限を設けずに、角野委員のいうように知恵を出し合ってはどうか。
 角野委員の提案から最後に明確になったこと。公園の敷地と体育館など施設を建てる敷地は、最終的には、それぞれ区有地と共同事業者敷地とに分ける必要がある、ひとまず今回の提案のように分けておけば何とかできると思っていた、との小野参事の発言に対し、大方委員より、その分ける位置も含めてプロポーザル要件とすべきだろうとの提案。
 最後に戸沼会長より、今回は審議継続とすること、そして文化財審議会と景観審議会を開くことについては事務局と諮って区長に打診を検討するとの宣言にて、延長後の時間通り16時半に審議終了。