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2007年03月08日

国の専門調査会名勝委員会から文化庁長官に宛てた意見書

02月13日づけで「東京都文京区元町公園の保存に関する意見書」が文化庁長官宛てに提出されていることを、文京区職員の関係者諸氏がご存知なかったようです。というわけですので、以下に公開された文書の写しを掲載しておきます。

文京区教育委員会のみなさま、また、区議のみなさま、区職員のみなさまもぜひお読みください。そして、03月19日に都市計画審議会で審議される、元町公園を体育館用地にするという都市計画変更(案)を廃案にするようご尽力ください。現区長から諮問されているこの「案」を、このまま受け入れてしまうことは、シビックセンター建設時の法違反に匹敵する愚かな結果を招きます。
文京区史上、最低の選択となることを何としてもストップさせてください。

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平成19年2月13日
文化庁長官 
近藤 信司 様

東京都文京区元町公園の保存に関する意見書
 
貴職の文化行政へのご尽力に対し、深く敬意を表します。
 さて、標記の件につきましては、すでに平成18年7月21日付で意見をお伝えしたところですが、新長官がご就任になられ、また本件をめぐる地元の諸情勢もその後に大きく変わってまいりましたので、改めて意見書を提出させていただきます。

 本公園は、ご承知のとおり、関東大震災の復興事業のひとつとして公園と小学校を隣接してつくり両者の相互の利用によって地域のコアをつくる、いわゆる学校小公園と呼ばれるものであり、その発想のユニークさは当時の世界の都市計画関係者を驚かせたものです。しかし、当初52箇所ありました学校小公園も現在では元町公園のみとなり、その優れた敷地選定と公園プラン、ならびに昭和初期のモダニズムのデザインは今日では貴重な文化遺産となっております。そのため、東京都の「史跡等整備検討委員会報告(平成16年3月31日)」では名勝として指定すべき第一の候補にあげられ、さらに、昨年、都市公園法施行50周年を記念しておこなわれた「日本の歴史公園100選(平成18年10月27日)」では、日比谷公園とともに元町公園が選定されました。
しかしながら、地元文京区はこの公園の歴史および文化財としての価値を評価することなく、公園を移転させたうえで敷地に区立体育館を建設する計画を立案して、昨年、区の都市計画審議会に付議いたしました。区の都市計画審議会では、貴重な文化遺産と考えるので区の文化財保護審議会の意見を聴く必要があるという意見が出されて継続審議となっております。しかし、いまだに文化財保護審議会は開催されておりません。区は公園の施設の一部だけを残して、公園を移転させ、区立体育館を建設する計画案を示しておりますが、公園から切り離された施設は公園の施設ではなくなり、名勝としての価値を消滅させるものです。

私どもは、この問題が浮上する以前から、近代の造園遺産として芸術・鑑賞上および都市計画学上も高い価値を有するこの公園は国の名勝に相応しいものと考えておりましたが、今回の事態を踏まえて、その保存について格別のご尽力をくださいますよう文化庁に再度、お願い申し上げるところであります。
その後、地元住民からも文化財指定の要望が文化庁長官に提出され、また周辺住民の意識も大きく変わりつつあります。本年は公園開園から77年の年であるため、地元の人たちは1月25日の公園開園日に喜寿を祝う会を開催するなど、大きな関心が寄せられつつあります。このような機運のなかで文化財指定をすることは絶好の機会であると考えられます。
 つきましては、本公園の保存に関して、一層のご尽力を下さいますようご意見申し上げます。

文化審議会第三専門調査会 名勝委員会 委員長 □□ □□ 
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■ ご存じない方のために、国の専門調査会名勝委員会から文化庁長官に宛てた意見書は、これだけではございません、ってことも申し添えておきましょう。