全員連名の再要望書! 文化財保護審議会
02月05、06日の二日間にわたり、文化財保護審議会の委員の先生方が文京区から「説明」を受けた件については、既に当ブログでご報告いたしましたが、この「説明会」(?)をふまえて、保護審議会の先生方は02月10日づけ全員で、再び要望書を区長と都市計画審議会会長に提出しました。
文化財保護審議会の先生方は、昨年09月に続いて二度も要望書を出すことになったことについて 「理解不能なところや疑問な点が数多 くありましたので、委員全員で要望書を再度提出することになりました」 と述べておられます。
以下、02月10日づけ要望書です。
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2007年2月10日
文京区長 煙山 力 殿
文京区都市計画審議会会長 戸沼幸市 殿
文京区文化財審議会委員 内田 青蔵
同 副島 弘道
同 谷川 章雄
同 中村ひろ子
同 林 亮勝
同 藤井英 二郎
同 宮崎 勝美
元町公園・元町小学校の保存・活用に関する意見および要望書
元町公園・元町小学校の保存・活用については、昨年9月8日に要望書を提出いたしましたが、本年1月22日に企画政策部長・教育委員会教育推進部長より検討結果の資料が文化財審議委員宛に送付され、2月5日・6日にその資料にもとづく説明会が開催されました。こうした経緯を踏まえて、ここに再度、 元町公園・元町小学校の保存・活用についての意見および要望書を提出することにいたします。
今回提示された検討結果については、以下のような点が指摘できます。すなわち、「文京区元町公園現況調査報告書」(平成18年11月)には、・日本の近代公園史および東京の都市史における震災復興公園の位置づけ、・他の震災復興小公園の現状、すなわち元町公園が現在原型をとどめる唯一の震災復興小公園であること、・元町公園が東京の都市生活において果たしてきた役割等、元町公園の震災復興小公園としての歴史的・文化的側面に関する記述がほとんど見られないなど、文化財として元町公園を評価するには不十分な内容であると言わざるをえません。それとともに、元町公園と一体であった、元町小学校校舎の構造や外部意匠をはじめとする近代建築としての詳細な調査および評価も、今後必要不可欠だと考えております。
また、今回示された建築計画は不確定な部分が多く、何よりも東広場・小広場およびその周辺を壊した後に再整備するという案に賛同することはできません。
元町公園・元町小学校は、関東大震災後に設置された52箇所の中で、唯一当時の姿をよくとどめている極めて貴重な文化財であり、すでに平成16年3月の「東京都史跡等整備検討委員会報告」では名勝指定対象とするべき公園の筆頭にあげられ、昨年7月には文化庁文化審議会文化財分科会第三専門調査会名勝委員会から文化庁長官に対し保存要望書が提出されておりますように、国もしくは都の文化財として指定されるにふさわしいものと考えております。したがって、今後、元町公園・元町小学校の文化財としての価値を減じることなく、保存・活用の措置をとることを強く要望いたします。
以上