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2006年07月25日

わたしの意見

今日ご紹介するのは、縦覧期間中に提出する意見書作成をめざした アンケート に寄せられたひと言です。 アンケートに参加してくださったみなさま、ありがとうございました。


Q3. 元町公園での想い出があればお聞かせ下さい。
 祖父の家のまん前だったので、遊びにいくたびに、そこで多くの時間を過ごしました。おじいちゃんの家に行くのと、元町公園に行くのは、ほとんど一体で切り離すことはできませんでした。

Q4. 現公園を壊し体育館を建設(公園は北側に再建設)するという区の計画に関して、コメントをお願いします。
 ああ、またあのあまりに安易な「開発」ですか、という失望。
 そして東京はまた一層時間の厚みをそぎとられて薄っぺらな場所になってゆく、という落胆です。
 特に文京区は東京の中でも、かろうじて「厚み」を誇っていた場所であり、それゆえに都会の人々に貴重な「故郷」感を与え、根無し草としての存在に「根っこ」の感覚を与えうる場所だったのです。
 どうか、計画 の見直しをお願いしたいものです。

Q5. その他ご意見等ございましたら、自由にご記入下さい。
 子どもが犠牲になる事件が頻発すると、公園の大きな木を切ることによって安全を図るという動きが生じます。起こる事件そのものにも増して、木を切って安全を、というこの安易な対応にこそ、現代社会の危機が表れているとぼくは考えています。
 大木のもとで遊ぶことを知らずに育つ子どもたちの心の中に残される空虚のことを我々大人は想うべきではないでしょうか。
 現代の殺伐とした社会のありさまを憂う者は、まず、木を切り続け、生き物たちを絶滅に追いやり、経済効率のために子どもたちの遊び場を、隣人たちとの憩いの場所を奪ってきたことにこそ、思いを馳せるべきではないでしょうか。


辻 信一
明治学院大学教授、文化人類学